なぜ世の中カベルネソーヴィニヨンなのか?
これを飲み、その訳のひとつに気づきました。
ボルドージロンド川左岸、メドック地方。砂利質のとても水はけの良い南の太陽のあるこの地で名声を馳せたカベルネソーヴィニヨン。その偉大さはやはり熟成にあります。
18年経ち、水のように穏やかになりながら、なおも瑞々しい新鮮な赤い果実、しっかりとした骨格。
料理を脇役としてすばらしく演出しながらいつの間にかなくなっている。
その繊細で流れるような誠に上品な味わい。
イギリスの貴族たちが競った、まさに世界でこの地、この品種ならではのなせる味わいなのでしょう。
「ほんとに繊細で上品なワインだ。赤い果実もタップリある。どんな料理がいいか…鹿、いのしし…いやもっと繊細なもの、白身の肉、鶏…」
しばらくして「仔牛、しかも生後30日のもの」とのこと。
誠に繊細な味わい。巨峰のやや酸のある甘いソースがワインの瑞々しい赤い果実味に。
ソテーしたきのこと少々のトリュフが、熟成したカベルネソーヴィニヨン全体の落ち着いたやや湿った風味にしっくりマッチ。
誠に貴重な一皿でした。まったくありがとうございました。
ボルドー リストラック ’86
生産者: ジャン-ピエール・ビスパリー
ぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン
2001年で引退してしまったジャン-ピエール。
“ボルドー”の真髄をお楽しみ下さい。
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